フルリフォームか建て替えか悩む…。費用、築年数などの判断基準3つ。
ライフステージの変化や家の老朽化などで家を作り変えたいと思ったとき、フルリフォームか建て替えかで悩むという方は少なくありません。
フルリフォームは家の構造部分はそのまま残すことができるため、費用が抑えられ工期が短いのがメリットです。
建て替えは多額の費用や手間、時間がかかりますが家を一新できるというメリットがあります。
悩んだときはどのようなポイントに注目して判断すればよいのでしょうか。
1. 築年数
判断基準の一つとなるのは家の築年数です。築年数が長いと基礎や柱なども老朽化しているため、リフォームで理想の家を手に入れることができても長期間維持できず、結局建て替えを行うことになったり、リフォームにリフォームを重ねて費用がかさんだりすることがあります。安全性の面でも意味でも不安が残ります。
構造部が老朽化している場合は、長期的に考えるとリフォームよりも建て替えが適しています。一般的には築30年以上が目安です。
ただし、構造部の老朽化や劣化の度合いは環境や工法などによって異なります。例えば、海に近い場所にある家はそうでない家よりも劣化しやすく、築20年でも建て替えの方がよいケースもあります。築年数はあくまで目安と考えてください。
2. 解決したい問題の内容
フルリフォームは柱などの構造部を残すため費用を抑えられるというメリットがありますが、思い切った間取り変更などがしにくいというデメリットがあります。
例えば、家全体をバリアフリーにしたいと考えた場合、手すりの設置や段差解消、浴槽交換などはリフォームでも対応できますが、廊下幅や間口の拡張、浴室やトイレの増床などはリフォームでは対応しにくいことがあります。建て替えであれば間取り変更に制限がないため問題に対応することができます。
断熱などの工事もリフォームの場合は制限がある可能性があります。
どのような問題を解決したいか、どのような家を作りたいかはフルリフォームか建て替えかを選ぶ大きな基準となります。
3. 費用
建て替えは建築費のほかに解体費、破棄費など多額の費用が掛かります。完成までにかかる期間も長いため仮住まい費用もかさみます。
そのため、予算を抑えるために設備のグレードを落とさなくてはならないなど、完成後に不満が残る可能性があります。
一方、リフォームは改修費用以外の費用は基本的にかからず、完成までの期間が短いため費用がやすく済む傾向があります。設備に多くの予算を割くことができるのも大きな魅力です。
ただし、内装などは新しくなっても基礎などの構造部は古いままなので耐震性や断熱性、家そのものの寿命などに不安が残ります。満足できる性能になるようリフォームを繰り返したりオプションを増やしたりすると費用がかさんで場合によっては建て替えよりも高くつくということもあります。
費用が高いか安いかは重要なポイントですが、費用と性能、満足感のバランスがよいかといったコストパフォーマンスも意識してください。
まとめ
フルリフォームと建て替えで悩んだときは、「どんな家にしたいか」「どんな問題を解決したいか」を具体的にイメージし、どちらの方がそれを実現できるかを考えると自分に合った方法を選ぶことができます。
ただし、法律の変更などで建て替えができないことがありますので、フルリフォームしか選べないというケースもあります。建てられる家の大きさが小さくなる場合もあるため、事前に土地条件なども確認しておくとよいでしょう。