冬から春先の北海道で多いすが漏り。発生原因や対策方法を教えて下さい。
雪国で発生する現象
すが漏りは屋根に積もった雪が原因で起こる雨漏りのような現象で、北海道をはじめとした雪国で多く発生します。
雨漏りは屋根に穴が開いていたり劣化して破損しているなどが原因で起こりますが、すが漏りは屋根に大きな破損や劣化がなくても起こることがあります。
今回は、すが漏りが起こる原因とその対策方法を紹介します。
すが漏りの原因
すが漏れは、屋根に積もった雪が一度溶けたあと凍結し、屋根の軒先付近でダムのようになって水をせき止めたことで起こります。
夜間も暖かく水が凍らない時期には菅森の原因となる氷のダムはできませんが、気温が低い冬は屋内の熱が屋根を伝って雪を溶かし、その水が流れながら冷やされることで凍ってしまいます。
氷のダムができると雪水が屋根にたまり、屋根の接合部から侵入して漏れ出してきます。
すが漏りの原因は、屋根の排水性の悪さや雪や氷が長期間積もったままになること、屋根の防水能力の弱さなどがあげられますが、なかでも屋根の断熱性が低く屋内の熱が屋根を伝って雪を溶かしてしまうことが大きな原因となります。そのため、断熱性能が低く屋根の防水能力も低い、古い住宅に起こりやすいといわれています。
すが漏りの対策
すが漏りの原因は、屋根の排水性や構造、防水能力、断熱性などがあげられますが、いずれの場合もリフォームで対策することができます。
【天井を断熱する】
天井を断熱して室内の熱が屋根に伝わらないようにすることで屋根雪が溶けるのを防ぐことができます。すが漏り対策になるだけではなく、光熱費節約にも繋がるため、寒さが厳しい地域では特におすすめです。
【定期的に塗装する】
屋根を定期的に塗装することで雪が滑り落ちやすくしたり防水性を高めたりしておくと、すが漏れが起こりにくくなります。
ただし、塗装による防水効果あまりなく、特に、たまった水が屋根の接合部からしみこんで起こるすが漏りではほとんど効果がないので、防水効果は期待しない方がよいでしょう。
【屋根の構造や素材を変える】
雪の滑り落ちやすさ、屋根の排水性や防水性などを根本から見直したいという場合は屋根の形状や素材を変更するリフォームがおすすめです。特に、増築などで屋根の形状が複雑化した場合などは日が当たりにくい場所や水がたまりやすい場所ができていることも多く、すが漏りが発生しやすくなっていることがあります。
大規模なリフォームとなり時間や費用が掛かってしまいますが、天井断熱と併せて屋根の葺き替えなども行うと、すが漏り対策はもちろん、雨漏り対策にもなります。
まとめ
すが漏りは雪が原因で起こるトラブルですが、火災保険の補償対象とならないことが多く、補修や修理にかかる費用負担も大きくなりやすいため、発生しないよう予防することが重要となります。
どのような対策が適しているか、どのような対策が必要かは屋根の状態などによって異なりますので、すが漏り対策をご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。