楽器の演奏、ホームシアターの設置など、目的別にみたマンションの防音リフォームと費用相場。
騒音によるトラブルは一戸建てでも起こりますが、隣家との距離が近い集合住宅では特に起こりやすく、音にストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
マンションで周囲の音を気にせず生活したい、自分がたてる音で周囲に迷惑をかけたくない、自宅で楽器演奏やホームシアターを楽しみたいというときは防音リフォームがおすすめです。
防音リフォームにはどのような種類があり、どのくらい費用が掛かるのでしょうか。
防音の種類
「防音」というと方法は一種類しかないように感じられるますが、「音」は大きさと高さという二つの要素があるほか、空気の振動によって伝わるという性質があるため、音の種類に適した方法でないとどれだけ防音を行っても思うような効果を得られません。
例えば、小型犬の高い鳴き声は音を跳ね返すことで外に漏らさない「遮音」や、吸収材で音を低減する「吸音」で対処できるかもしれませんが、大型犬の低い鳴き声は音の振動が大きいため「防振」や「制振」といった対策も必要になるかもしれません。
このように、防音を考えるときは音の種類に合った防音方法を選ぶ必要があります。
目的別防音リフォームと費用相場
防音はどんな音を防ぎたいか、どこからの音を防ぎたいかによって選べる工法が変わるほか、どの部分に防音工事が必要かが変わります。
【外からの音を防ぎたい】
外の音が気になる場合、窓の防音を中心に行い、音の大きさなどによっては床や壁にも防音を行うとよいでしょう。
例えば、外にいる人の話し声が気になるという場合は窓と壁、電車やトラックの音が気になるという場合は床の防音も必要かもしれません。
窓の防音は窓ガラスを防音窓ガラスに変更する方法と内窓をつける方法があります。防音窓ガラスへの変更は5〜13万円、内窓の設置は5〜10万円がおよその相場です。内窓を設置すると断熱性アップ、防犯性アップも期待できます。
【生活音を減らしたい】
生活音を減らしたいという場合、隣の部屋の音が聞こえたり、自室の音が隣に聞こえたりするのを防ぎたい場合は壁、足音が下の階に響かないようにしたい場合は床に防音工事を行います。
壁の防音は壁に吸音材や遮音シート、遮音パネルなどを入れるほか、換気口などの開口部がある場合は開口部の部品交換などを行います。どのような素材を使用するかなどによって費用は上下しますが、16平方メートルで18万~25万円が相場といわれています。
床の防音は防音性のある床材に変更する方法と、床材の下に遮音マットや吸音材を敷く方法があります。六畳の場合、床材の変更は25万~30万円、遮音マットや吸音材を敷く場合は30万~80万円ほどかかります。
【楽器やホームシアターを楽しみたい】
自宅で楽器やホームシアターを楽しみたいという場合、壁や床を個別に防音施工するのではなく、部屋全体を防音室にリフォームするか、組み立て式防音室を設置するかのどちらかがよいでしょう。
防音室へのリフォームは部屋の広さ、必要な防音の程度、家の構造によって130万~500万円程度と費用の幅があります。
組み立て式防音室も大きさなどによって費用が変わりますが、こちらは50万~300万円が相場です。
まとめ
防音リフォームは「どんな音を・どのくらい軽減させたいか」が重要なポイントとなるため、業者の知識や経験が不足していたり、要望がしっかり伝わっていないと満足のいく効果を得られない可能性があります。
業者を選ぶときは防音リフォームの経験豊富で親身に相談に乗ってくれる業者を選びましょう。