北海道の寒い冬に多い”すが漏れ(すが漏り)”丨発生原因・対策方法とは?
目次
雪国で発生する”すが漏れ(すが漏り)”
すが漏れは屋根に積もった雪が原因で起こる雨漏りのような現象で、北海道をはじめとした雪国で多く発生します。
「すが」とは、北海道や東北地方の方言で、氷や氷柱(つらら)を意味します。
つまり、雪や氷によって生じる雨漏りが”すが漏れ”と呼ばれているのです。
今回はすが漏れが起こる原因から、すが漏れと雨漏りの違い、その対策方法までご紹介します。
すが漏れの原因
すが漏れ(すが漏り)は、屋根に積もった雪が一度溶けたあと凍結し、屋根の軒先付近でダムのようになって水をせき止めることで起こります。
夜間もあたたかく水が凍らない時期には氷のかたまりはできませんが、気温が低い冬には、すが漏れの原因となるアイスダムという氷のかたまりができやすくなります。
- 屋内の熱が屋根を伝って雪を溶かす
- その雪解け水が流れながら外気で凍る
- 軒先にアイスダム(氷のかたまり)ができる
- アイスダムが雪解け水をせき止める
- 水が屋根にたまり、屋根の接合部などから侵入して漏れ出す
このような流れで”すが漏れ”が起こることで、天井や壁にシミができたり、木材が腐食したりして建物の構造が傷んだり、カビの発生や電気トラブルの原因となるなど、住宅のトラブルに繋がります。
どんな家に起こりやすい?
すが漏れの原因は、屋根の排水性の悪さや屋根の形状(傾斜がゆるい屋根など)によって、雪や氷が長期間積もったままになること、屋根の断熱性の低さ、防水能力の弱さなどが挙げられます。
なかでも屋根の断熱性の低さが主な原因で、屋内の熱が屋根を伝って雪を溶かしてしまうのです。
そのため、断熱性能が低く屋根の防水能力も低い、古い住宅に起こりやすいといわれています。
すが漏れと雨漏りの違い
雨漏りは、屋根材や外壁の劣化・老朽化、台風や豪雨による破損が原因で起こり、そこから雨水が建物内へ入り込む現象です。
全国どこでも発生しうる身近なトラブルと言えます。
それに対して”すが漏れ”は、屋根に大きな破損がなくても起こります。屋根から流れ出た雪解け水が凍り、水がせき止められることが原因で、屋根材の接合部などから中に入り込む現象です。
北海道や東北地方といった、雪が多く降る地域で起こります。
このように、雨漏りとすが漏れの大きな違いは”原因と起こる地域”であると言えるでしょう。
すが漏れの対策
すが漏れの原因は、屋根の排水性や構造、防水能力、断熱性などが挙げられますが、これらはリフォームで根本的な対策することができます。
手軽にできる対策から、しっかり解決できるリフォームまでご紹介します。
無落雪屋根のメンテナンス
ご自宅の屋根が無落雪屋根であれば、ダクト(排水溝)のメンテナンスをすることで、すが漏れの対策になります。
北海道などで普及している、屋根の中央にダクトがある無落雪屋根(スノーダクト屋根)は、雪を屋根から落とさず中央のダクトに集めて排水する仕組みです。
そのため、雪・氷・水が一か所に集中しやすく、排水が滞ると屋根の上に水がたまり、すが漏れが起こりやすい構造になっています。
ダクトが凍結したり、落ち葉やゴミで詰まりを起こさないよう、定期的な清掃やダクトヒーターのメンテナンスをしましょう。
軒先ヒーター(ルーフヒーター)の設置
アイスダム(氷のかたまり)ができやすい軒先部分に、電熱線ヒーターを設置します。
熱により強制的に氷を溶かすことで、積雪・落雪・つららなどの防止にもつながります。
ケーブル型、パネル型、屋根一体型などさまざまな種類があるため、お住まいに合うものを専門家に取り付けてもらうのがおすすめです。
定期的に塗装する
屋根を定期的に塗装することで雪が滑り落ちやすくしたり、屋根材の劣化を防ぐようにしておくと、すが漏れの発生リスクを抑えることができます。
ただし、塗装だけで防水性を大きく高めることはできません。
特に、たまった水が屋根の接合部からしみこんで起こる”すが漏れ”にはほとんど効果がないので、塗装による防水効果は期待しない方がよいでしょう。
天井を断熱する
天井を断熱して室内の熱が屋根に伝わらないようにすることで屋根雪が溶けるのを防ぐことができます。
すが漏れの根本的な対策になるだけではなく、光熱費節約にも繋がるため、寒さが厳しい地域では特におすすめです。
屋根の構造や素材を変える
雪の滑り落ちやすさ、屋根の排水性や防水性などをしっかり見直したいという場合は、屋根の形状や素材を変更するリフォームがおすすめです。
特に、増築などで屋根の形状が複雑化した場合などは日が当たりにくい場所や水がたまりやすい場所ができていることも多く、すが漏れが発生しやすくなっていることがあります。
大規模なリフォームとなり時間や費用が掛かってしまいますが、天井断熱と併せて屋根のふき替え(屋根材の交換)なども行うと、すが漏れ対策はもちろん、雨漏り対策にもなります。
もし、すが漏れが発生してしまったら
すが漏れを発見したら、まずはバケツを置くなどして室内への被害を最小限に食い止めましょう。
原因となっているアイスダム(氷のかたまり)を取り除く必要がありますが、ご自身で屋根に登るのは転落する可能性があり大変危険です。
必ず、すが漏れの修理を専門とする業者や工務店に連絡し、氷の除去を依頼してください。
まとめ
すが漏れは雪が原因で起こるトラブルですが、突発的な自然災害ではないため、保険適用外となる場合がほとんどです。
補修や修理にかかる費用負担も大きくなりやすいので、発生しないよう予防することが重要となります。
どのような対策が適しているか、どのような対策が必要かは屋根の状態などによって異なりますので、すが漏れ対策をご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。
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