二階建ての家から平屋へのリフォームは可能ですか?
減築リフォームで二階建てを平屋に
リフォームというと、内装や設備の交換や間取り変更をする「改築」と、床面積を広げる「増築」のイメージがあるため、二階建てを平屋に変更するにはいったん更地にして家を新築する「建て替え」しか方法がないと考えられがちです。
しかし実際は、床面積を減らす「減築」というリフォームが存在しており、完全に建て替えなくても二階建てを平屋にすることが可能です。
今回は、二階建てを平屋にする減築リフォームについて紹介します。
減築リフォームで平屋にするメリット
減築は建物の一部を撤去して床面積を減らす工事のことで、二階部分の撤去も減築工事の一つに含まれます。完全に取り壊して作り変えるわけではないため、建て替えに比べると費用負担が少なく、工事期間もやや短くなる傾向があります。
また、平屋を二階建てにする場合は耐震性を計算し直したり適切な補強を行わないと耐震性が下がってしまいますが、二階建てを平屋にする場合は耐震性が下がる心配はありません。
無駄な空間がなくなることで動線がすっきりするだけではなく、使わない部屋の掃除やメンテナンスの手間もなくなり、床面積が減ることで固定資産税が減る、冷暖房効率が上がるなど、さまざまなメリットがあります。減築と同時に間取り変更やリノベーションも行えば快適な平屋を作ることができるでしょう。
減築リフォームで平屋にするデメリット
減築工事は大掛かりになることが多く、建て替えに比べると費用負担は少ないといっても一般的なリフォームに比べると高額になってしまいます。特に、二階を撤去する場合は屋根の葺き替えも必要になるため費用負担が大きくなりやすく、リフォーム工事中の仮住まいも確保する必要があるため、工事費以外の出費も多くかかってしまいます。
また、床面積が減ることで収納不足になる可能性があるのもデメリットです。建物が低くなることで日当たりが悪くなったり、洪水が起こったときに避難できる場所がなくなったりするなど、土地環境によってはデメリットが生じることもあります。
減築は増築や改築に比べるとあまり行われないため、経験豊富な業者はそれほど多くありません。工事が大掛かりになるため小規模な業者では対応できないことも多く業者選びが難しいかもしれません。
平屋にするときの注意点
二階建てを平屋にするときは、収納不足にならないようしっかりと計画を立てる必要があります。間取り変更も同時に行う場合は収納スペースがどの程度あるのかイメージがしづらいので特に注意が必要でしょう。
二階部分を減らす分、一階部分を増築するという場合は建ぺい率や隣家との距離などに注意が必要です。特に、隣家との距離が近くなりすぎるとプライバシー性が下がったり日当たりが悪くなったりするなど、生活に不都合が生じやすくなります。
また、家の建築や増築、大がかりなリフォームやリノベーションの際は事前に「建築確認申請」を行う必要があります。減築工事自体は確認申請は不要ですが、二階建てを平屋にする場合は大掛かりな工事となるため確認申請が必要です。
さらに、工事完了後は一か月以内に登記申請を行う必要があります。忘れずに手続きしましょう。
まとめ
二階建てを平屋にする減築リフォームは費用がかさみやすいためしっかりと資金計画を立てる必要があるだけではなく、収納空間の確保や、確認申請、登記などの手続き、仮住まいの手配など、やらなければならないことがたくさんあります。事前準備をしっかりして、業者と相談しながらライフプランにあった計画を立ててリフォームに臨むとよいでしょう。